日本初!7速シーケンシャルミッションが搭載された「フェアレディZ S30」に乗ってみました。In 岡山

この度、OS技研で画期的ともいえる“7速シーケンシャルミッション”が開発されたことを受け、7/1予約販売がスタート。なんだかすごい製品らしいのですが、広報部浅野には写真を見ても全く分からない…。ということで、OS技研に行ってみました!実際にシーケンシャルミッションを搭載した車があるというので、助手席に乗せてもらえるとのこと。(TOPの写真は私が個人的に気に入った車で、今回全く関係ありません。次回登場するかも…?)

 

「フェアレディZ S30」にエンジンをかけていざ出発!


運転、よろしくお願いします!…すみません、そもそもシーケンシャルミッションって何なのでしょう。

通常、マニュアルトランスミッションってアルファベットの「H型」にシフトレバーを動かしてシフトチェンジをします。それが「I型」になって前後にしかシフトレバーが動かないものを「シーケンシャルミッション」と呼びます。出発しますね!

工場内にいるスタッフの皆さんに見守られながらの出発。

ドキドキしますね…お願いします!シーケンシャルミッションって昔からあるものなのでしょうか?

レース業界では20年以上はあると思います。

そうなのですね。あ、今変速したのかなってなんとなく分かりました。全身に響く感じが心地いいですね。シフトレバーが「I型」になっているシーケンシャルミッションだと、スピードを追求するのに適しているということでしょうか?

そうですね。基本的な構造は、今のF1と同じです。F1になると、I型ですらその手の動きがもったいないということでハンドルのところについていたりします。H型の場合とI型の場合だと、手の動きにコンマ何秒という差がでるんですね。サーキット1周に何度ギアチェンジするかと考えたとき、大きなタイムの差ができると言うわけです。

見た目もドラえもんの手みたいで可愛いです。

6速ミッションは既に作られていると聞きました。7速になるとどう変わるのでしょう?

分かりやすく説明しますと、高さ10mの階段を1段1mの段差10回で登ると大変ですが、1段50㎝の段差20回、あるいは1段25㎝の段差40回で登ればさほど大変ではないですよね?

はい。段差が小さいほうが軽々登れます。

これを自動車に置き換えると、階段の高さは速度。段差はギヤ比(2つのギアの歯数の比率)、回数がギヤの段数(5速、6速、7速など)になります。なので、同じ速度を出そうとすると、段数が多い(7速)パターンの方が段差(ギヤ比)も小さく楽にスピードが出るってことです。


車に乗ると分かりませんが、7速シーケンシャルミッションのギヤはこんな感じ

なるほど!!

これまでは6速で対応していたのですが、走る場所(サーキットなど)によって直線距離が長いなどいろんな環境があるので、場所を選ばずに使うためには今回のような多段化が必要になる、ということで作りました。また、エンジンが無限に回ればいいのですが、回転数には上限があるので、そこから先スピードを出すにはギアを増やすしかないということです。

では気が早いですが、次は8速ができるということですね…!詳しく事務所でお聞かせ下さい!

 

 

実は、通常100人規模の開発をたった1人で成し遂げた男


株式会社 オーエス技研 企画広報室 駆動部門チーフマネージャー 佐々木 良介(ささき りょうすけ)

では、これまで日本で7速を作っていなかった理由は何なのでしょう?

理由の一つは、日本の開発力が弱いことですね。ただ、OS技研には日本で唯一0から物を作りだせる技術があります。ケースからミッションを作っているのは、唯一当社だけです。なので、今回も7速のシーケンシャルミッションを完成させることができました。

開発に当たって最も苦労したところはどこでしょうか。

企画段階で決まっていたのは「7速ミッション」「シーケンシャルシフト」「FRレイアウト用」と言うことくらいだったので、何処から手を付けたらいいかというか・・・ギアの大きさを決めてからケースを作るのに、ケースのサイズ感が分からずに何度も作図しなおしたことなど、苦労はしましたが、良い経験になりました。開発力のあるOS技研でも、ケースを作る技術、とくにアルミ鋳物は難しいです。

7速になると5速や6速よりもスピードが出せるということは分かりましたが、他に進化したところはありますか?

通常、エンジンの回転数が上がってくると、ギアチェンジがしにくくなるのです。ですがこの7速シーケンシャルミッションに関していえば、ギアチェンジをしやすくするために回転を一旦下げる仕組みを導入したことですね。これは他のミッションにはない部分です。ギアとギアがかみ合うと、シフトと一体になって回り、駆動を後につなげる。そこを落としてやることでつなぎやすさが格段に改善されました。

誰も思いつかない発想が凄いですよね。

急に現れたトミタクこと富松さん(左)

それに、これはいわゆるレーシングカー以外の街乗りの車にも装着できる点も他社製品との大きな違いですね。

先程乗せていただきましたしね。やはり普通の車とは全然迫力が違うので、とてもいい経験になりました!今回の製品は企画から完成までどれくらいかかったんですか?

テスト期間もいれて3年くらいですね。おかげさまで7/1からの受付では既に初回制作分10基のうち7基に予約いただいています。実は、搭載テスト車両にて筑波サーキット国内最速ラップタイムも記録しました(NA部門)。

すごいですよね。何十年か経ったら、佐々木さんは人間国宝になってるかも。

OS技研や佐々木さんのすごいところってどこにあるのでしょう?

自慢じゃないですが、新しくトランスミッションを作るとなった場合、普通の会社なら100人規模で取組むところをOS技研では自分ひとりで設計から販売までこなすということろでしょうか。時間がかかる反面、自由度が大きく、達成感もあります。

それはレベル違いですね(笑)。

従業員数も全員でたった13名。これぞ少数精鋭部隊です。

 

 

入社の決め手は“一通の手紙”。技術を次世代に繋いでいく


今更ですが、佐々木さんの生い立ちについて聞いてもいいでしょうか?富松さんも「トミタク」としてかなり有名ですが(自宅のガレージがすごいのでまた記事で紹介します…!)、お2人はもともと接点があったのでしょうか。

実は富松さんとは母親同士が幼馴染で富松さんが2年生で引っ越すまでおなじ小学校でした。小さいころから機械いじりが大好きで、自転車をバラバラにして軽量化を図るためにいろんな部品を外していった挙句、サドルやしまいにはブレーキまで外してしまって止まれないなんて危ないこともしていましたね(笑)。ただ、富松さんがOS技研に入社するのは全く知らなかったので驚きました。

学年は富松さんがひとつ上だったそう。

それは入社後のサプライズですね。では、開発系の道に進むことは決めていたということでしょうか。

いえ、実は、大学進学の際にパイロットになりたかったんです。でも視力を悪くしたので断念しました。そこから機械科に進み、就活では大学のあった関東でも地元岡山でもいくつか内定をもらっていたのですが、たまたまOS技研のことを知り、電話をかけて話をする機会をもらったんです。そこで岡崎社長(現会長)と雑談のような話しと工場見学をしてその日は終わったのですが、ある日手紙が届いたんです。そこに、「よかったら一緒に働きませんか、社長は君のポテンシャルに期待しています」と書いてあったんですね。そのことに、「この会社は息子に期待してくれている!」と親が感動して(笑)。それがOS技研に入社した大きな理由ですね。

手紙は嬉しいですね。OS技研は1人1人しっかりと見てくれている会社ということですね。最後の質問なのですが、今、「自動車業界の変革期」と言われるほど車の在り方が変わってきていますが、佐々木さんはどうお考えですか?

この先も、自分達が生きている間は内燃機関はなくならないと思っています。新興国などはまだまだ修理や部品を必要としています。ただ、今後は車のニーズが二分化していくと思うんです。単に移動手段として使う人と、趣味と捉える人。内燃機関はだんだん趣味になっていくでしょうね。今後は若い世代にもどんどん新しい開発をしてもらいたいという気持ちがあるので、後輩の育成などにも力を入れて、時間をかけてノウハウを身につけてもらいたいと思います。

これからもOS技研の活躍に目が離せませんね!ありがとうございました!

 


7速シーケンシャルミッション
価格:1,660,000円(税別)
発売時期:7月1日より予約受付開始、8月販売開始

<OS技研公式HP>
http://www.osgiken.co.jp/top_j.html
<OS技研公式Facebook>
https://www.facebook.com/OSGikenJapan/

●社 名: 株式会社 オーエス技研
●所在地: 〒702-8001 岡山県岡山市中区沖元464
●創 業: 1973年
●設 立: 1988年4月8日

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